熊本地震から間もなく2年! 山村武彦氏レポート紹介

2016年4月14日に震度7を記録し、熊本県および大分県で相次いで発生した地震は、関連死を含め264名の命を奪い、19万棟におよぶ家屋損壊をもたらした。
被災地は復興に向けて着実に歩んでいる一方で、今なお、17,679世帯40,383名の方々が仮設住宅などで暮らしているそうです。
熊本地震の前震、本震から2年となる14、16の両日、熊本城天守閣を日没から翌日の日の出までの終夜ライトアップするそうです。

熊本地震2周年・被災地は今
現地調査写真レポート:文・写真/山村武彦

 平成28年熊本地震(2016年4月16日)から2年目の2018年4月・被災地は今、工事関係車両が土ぼこりを上げ、自宅再建の槌音も聞こえる。しかしその槌音はまだ高くはない。倒壊建物が解体・撤去されただけの雑草茂る空地が目立つ。地域によって異なるが応急仮設住宅に住む人の約6~8割が高齢者。自宅が全壊しみなし仮設住宅(アパート)に住む70代の男性は「被災者再建支援金では家を建てることはできず、住宅ローンが残っていて金融機関からは年齢的にも融資はできないと言われた」「復興住宅の申し込みはしたが、この先ローンと家賃を払って生活していけるか不安」という。貧富の差が生活再建格差をさらに広げている。
2018年3月末現在、益城町だけでも応急仮設住宅に3,197人(1,261戸)、みなし仮設住宅に3,142人(1,217戸)の6,339人が未だ厳しい避難生活を続けている。仮設住宅入居期限は原則2年だが、多くが住まい再建のめどが立たず、復興公営住宅建設も遅れているため入居延長を申請。地震による死者は258人(2月末現在)。そのうち直接死は50人だけで、その4倍の208人は震災関連死。震災関連死における死者の9割が65歳以上。避難生活のストレス、今後の生活不安、高齢者の話を聴くと胸が痛む。